「うわ!」


カラン


叫ぶと同時にナイフを落とした瑠奈がベッドに仰向けに倒れた。

「……やっぱりそうだったんだ」

黒くえぐれた目で純子は言った。

瑠奈は、目に気づいたのか、悲鳴を上げる。

「純子……。なんで、もう悪魔に喰われたって……」

震える声で瑠奈は言った。

「言ったでしょう? 『他にも、あたしを苦しめたり裏切った人たちを許すことはできない』って」
そう言うと、純子は瑠奈の肩を持って軽々と抱えた。