涙があふれた。

なんでこんなことに?

こぼれる涙はそのままに、あたしは必死で首を横に振った。


お願い、信じて……。


「これは由々しき問題です。校長先生の判断を仰ぐことになるでしょう」

「先生」

千夏が兼子先生の腕をつかんだ。

「やめてください。もう、いいんです」

「柴田さん」

「見つかったんだから、もういいんです」

「ダメよ。しかるべき判断を」

兼子先生が立ち上がろうとする。

「あたしも不注意だったんですから」

「校長先生に報告をしに行きます」

「だから、いいって言ってるじゃないですか」


急に千夏のトーンが変わった。