「遙香は気づいてたんでしょ? ウチがわざと純子に【444の呪い】のことを教えたって」

「ご、ごめん。なんの話だかわから……」

「とぼけないで、って言ってるの」

言葉は、瑠奈にさえぎられた。

もう、瑠奈は笑ってなかった。

はじめて聞くような低い声。

大人びた目で私の表情を観察している。

「瑠奈?」

「だって純子、今にも死にそうだったでしょ? ウチ、トイレで純子の制服を拭いたときに『いじめられてる』ってすぐにわかったの。エライでしょ?」

自慢そうにあごをあげた瑠奈は、口を閉じてにっこり笑う。

それが、不気味に思えた。


瑠奈が、いじめのことを知っていたなんて。