「眠れてる?」

「うん」

「ウソだね」
そう言って顔をのぞきこむ。

見破るのが得意な鏡が、悲しくほほえむ。

「……」

「いろんなことがあったからね」

「なんだか、夢のように思える」

そう、全部夢だったら。

毎日のように思っている。


でも、もうこの世に純子はいない。