「あたしは満足してる。また、会えたから」

そう言うと、純子は、
「バイバイ」
と、手を振った。

ハッとする。

純子が柵の外を見ると、千夏に首をかしげて同じように手を振った。

「いやああああああ!」

叫んだ千夏の体が一瞬で視界から消えた。

声が小さく続き、すぐに鈍い音が耳に届いた。

叫び声や悲鳴がたくさん聞こえる。

そして、それをかき消すような雷の音。

警官が、なにやらわめきながら走ってゆく。