「遙香。これで、私の呪いは終わり。あとは悪魔に喰われるのを待つだけ」

先生や警官がおそるおそる近づいて来る。

太一が叫んだ。

「千夏を! 外にいる子を助けてください!」

「遙香」

純子の声。

「今までありがとう。お別れもちゃんと言えなかったから、言うね。あなたがいちばんの友達だった。『友達をやめる』なんて、言って本当にごめんなさい」

「純子……。私も、私も……」

言葉にならない。

涙が雨とともに落ちる。

警官が柵まで走って来て、手を伸ばす。

千夏も必死でそれにつかまろうとするが、届かない。