ドンドンドン!

屋上の入り口を叩く音。

「こら、開けなさい!」

男の人複数の声。

先生なのか、さっきの悲鳴を聞いて駆けつけた警察官か?

激しくドアを打ち鳴らす音。

「そんなことしたって開かないのに」

つぶやくように言う純子が、手を動かすと扉の向こうから、
「うわあああ!」
という叫び声が重なって聞こえた。

純子が少しだけ私の方を見る。

「階段から落としただけ。死なないから」

「純子……」