純子が『私を殺す』って、今そう言ったの?

友達さえも殺すほど、純子の憎しみは大きいんだ……。

こらえていた涙がほほをあっという間に伝った。

「純子……。私たちがあなたをそうしちゃったの?」

あなたを、そんな悪魔に変えたの?

憎しみの塊にしたの?

「なに言ってるのよ」

口調をやさしくした純子は、右手で私の額にはりついた髪をなおした。

「遙香はあたしを裏切ったりいじめたりしてないでしょう?」

「そうだけど……」

「余計なことしなければ、なにもしないよ。これで呪いは完結するの。だから、なにもしないでね」
そう言うと、また千夏に視線を戻した。