しかし、鏡は言葉を止めようとはしなかった。

「彼女たちが君を殺したか? 違うだろう? 君が自殺したんじゃないか。死を選んだのは君じゃないか!」

純子が顔だけじゃなく体ごと鏡に向いた。

さっきまで開いていた口は閉じ、無表情になる。

「もうやめるんだ、こんなことは!」
そう叫んだ鏡に、純子がすばやく両手を伸ばしてその首をつかんだ。

「グッ」

つかんだ両手に力を入れたのか、鏡が苦しそうにうめいて仰向きに倒れた。

そのまま純子は鏡に馬乗りになった。

「だまれ、だまれだまれだまれ!」

純子が叫んだ。

「お前なんかになにがわかる! あたしがどんなに苦しかったか! あたしが毎日どんな気持ちだったかっ」