「鏡さん?」

「山本さん、僕は中央警察署刑事課の鏡といいます」

両手を横につけて背筋を伸ばした鏡が声を出した。

純子はあきれた顔で鏡を見た。

「見えてないのに、なに言ってんのこの人」

「君が苦しんでいたことは、ここにいる遙香さんから聞いた。僕も呪いなんて信じていなかったけれど、今は違う。だけど、こんなことしていったいなんになるんだ。彼女たちを殺すなんてバカげている」

「こいつも殺してやろうか?」

その声に、私は鏡の服の袖をつかんだ。

「もうやめて!」