「あたしの目を見て怖がらなかったの、遙香だけだよ」

「悪魔と契約したから、そうなったの?」

不思議と心が落ち着いていた。

もう一度、純子に会えた。


こんな状況でも、それがうれしかったから。


雨が横殴りに私の顔を叩いた。

雷がまだ上空で鳴り響いている。

「その人、だあれ?」

純子が鏡を見て尋ねた。

「刑事の鏡さん」

短く答えた。