「助けて……遙香、助けてよぉ」

聞いたことのない弱々しい声が聞こえる。

ガクガクと震えながら、千夏が助けを求めている。


バシャン!


空が一瞬明るくなり、雷が屋上を一瞬照らした。

ようやく純子のそばまで来た私は、その顔を見た。

「純子……」

「どうして来たのよ、遙香……」

純子の声だ。

それが私の胸を痛めた。

「純子、その目……どうしたの?」

真っ黒な目。

あんなにきれいに輝いていた純子の目が、黒い穴を開けている。