校長の声が聞こえた。

『雨が降ってきましたので、みなさん教室へ』

「待って!」

あたしは純子をよけて屋上の柵まで走る。

校庭にはたくさんの生徒がいた。

『今日の全校集会はこれで終わりにします』

「助けて!」

叫び声は、生徒のざわつく音で聞こえない。


それでも、あたしは必死に叫んだ。


「誰か助けて! お願い! 助けて!」