自分を叱るけれど、こみあげてくる涙で声にならない。

「うう……」

ぽろぽろとこぼれる涙。

それと同時に、小雨が降り出してコンクリートを濡らした。


「泣いているの?」
その声に、あたしは観念する。


……そう。


わかっていた。

きっとチカラを使う純子からは逃げきれない、って。

「純子……」

目の前には純子が立っていた。


徐々に強くなってゆく雨が、純子の髪を濡らしてゆく。