必死で廊下を走った。

誰の姿もない。


純子は……。


走りながら振り向くけど、まだ図書室からは出てきてない。

階段にたどりつく。

ここは2階だから、一気に降りて校庭まで走ろう。

そう思って階段の踊り場を見る。

「千夏」

階段の下には純子がいた。

「きゃあ!」

とっさに階段を逆に走って上る。