「あのね」
そう純子が口を開いた瞬間、あたしは思いっきり純子に体当たりをした。


バタンッ


激しい音ともに純子が倒れるのを確認すると、あたしはその脇を走り抜けた。

図書室の扉に向かって走る。

遠い。

いちばん奥に来ていたから、扉までなかなかたどりつけない。

さっき、本さえ戻さなければ!

机の上に置いておけばよかったのに!


なんとか扉まで来ると乱暴に開けて、転がるように廊下に出る。

全校集会のところまで行けば、誰かが助けてくれるかも。