あたしはなんとか立ちあがると、まっすぐに純子と向き合った。

大丈夫。

震えも、少しおさまっている。

「ねぇ、千夏」

「うるさい!」
あたしはまた叫ぶ。

そうすると、純子は驚いた顔を見せた。


……やっぱり。


これなら逃げられるかも。

でも、純子は放送で『悪魔にチカラをもらえる』って言ってた。

どんなチカラかはわからないけど、ここは慎重にしないと。

あたしは純子を観察する。

ペースが狂ったのか、呆けたような顔の純子。