「ふう」とため息をついて立ちあがろうとするあたしは、『四国の歴史』の背表紙をなぜかじっと見ていた。

タイトルの下に白いシールが貼ってあり、管理番号が書かれている。

『さ5-52』

隣は?

なぜかそれを確認したい気持ち。

必死で止めている自分もいるけれど、目はそれに反発して動く。

『さ2-28』

鼓動が早くなっている。

苦しいほどの胸。

目をそらせばいいのに、どうして?

『4つの財宝~完全版~』を、もう目は見ていた。

ゆっくりと下へ視線をおろす。