のろのろと本を手に立ち上がる。

いちばん奥の棚って言ってたよな……。

重い本を抱えて歩く。

「これからどうしよう……」

純子が呪いを解除する、なんてとうてい思えない。

いちばん恨んでいるのは、あたしなんだから。

家に帰ろう。

そして、親になにもかも話して閉じこもるしかない。

テレビも携帯電話も見ないようにして、とにかく3か月間、部屋に閉じこもろう。

図書室の奥に行くにつれて薄暗くなる。

いちばん奥の棚の前につくと、真ん中のあたりがすぐに目に入る。

ぎっしりと並んでいる本の中に、ぽっかり空いているスペースがあった。

「ここか……」

本をそこに入れると、すんなりおさまった。