「……」

答えないあたしに、瑠奈は黙って机にその本を置くと、ページをめくる。

なにか、神父のような絵が見えた。

顔を本に近づける。

ここに、なにが書いてあるんだろう?

安心したのか、表情をゆるめた瑠奈は、
「じゃあウチも全校集会行ってくる。読み終ったら、一番奥の棚に戻しておいてね」
と、言うと足早に図書室から出て行った。

「なによ、あの子……」

あたしは小さい背中を見送ると、椅子に腰を降ろした。