「なっ!」

ざわめきが教室を駆け抜けた。

千夏はニヤリと笑うと、みんなを見回した。

「この世に呪いなんてほんとにあるって思ってんの? 純子は精神異常で死んだの。他の人だって、自殺じゃないって言いきれる?」

「他殺じゃないとも言い切れないけどな」
男子のひとりが声を上げると、次々に「そうだそうだ」と加勢が加わった。

どんどん声が大きくなる。

朋絵は千夏を糾弾する声に笑みを浮かべている。

「千夏、じゃあ聞くけどさ。今日は美鈴はどうしたの? いっつも早いのに来ないよね?」

「……」