「塾を休んだらしいじゃないの! 講師の先生から電話があったわよ。いったいどういうことなの!?」

「お母さん、お願いします。聞いてくだ……」

「聞きたくない!」

大声でお母さんは言った。

「あんたって子は……。とにかく帰って来なさい。すぐに!」

「お母さん、あのね」

「いつからそんな不良になったのよ! お父さんにも叱ってもらいますからね!」

「お願い、お母さん、助けてっ!」

叫ぶ声は、
ツーッ ツーッ
という、電子音に遮断された。

「お母さん……」
つぶやいたその時、どこかでガラスの割れる音が聞こえた。