でも、言いたかった。

あんなひどいことをしていて、今さら謝っても仕方ない。

だけど純子にどうしても謝りたかった。

「顔、あげてよ」
純子の声に、私は言われるがまま純子を見た。

手が差し伸べられる。

「ほら、立てる?」

「……」

じっとその手を見つめる。

青白く細い手。

純子は死んだんだ。

そうさせたのは、まぎれもない私たち……。

その手をつかむと、あまりの冷たさに体が震えた。


立ち上がって純子と向かい合う。