「美鈴、聞いたでしょう? 呪いを解く方法」
遙香の声がして、私は顔を上げた。

「はい。でも、ムリです」

「ムリ?」

「純子は絶対に呪いを解くことはしないです。むしろ、今喜んでいると思いますから」

「やっぱり純子をいじめていたの?」

遙香の声。

もう、ウソをついても仕方ない。

私はうなずいた。

「あれはいじめでした。言い訳はしませんが、千夏には逆らえないから仕方なかったんです」

そう、千夏は絶対だった。

はじめはちょっとしたからかいだったけれど、やがてそれはいじめになり途中退場は許されなくなった。

千夏が求めていたのは権力。

私が学級委員じゃなければ、こんなことにはならなかったと思う。