あたしは呆然としたまま3人を見ていた。


いったいなにを言っているの?

あたしは盗んでいない、と言ってるのに、信じてくれない。

それどころか、あたしを犯人だと決めつけている。

悔しくて、気がつくとコンクリートの地面を見ていた。

「純子」

千夏の声に、あたしは顔を上げた。

「あたしは盗んでなんかいない……」

言葉が選べず、同じことばかり言ってしまう。

だけど、信じてほしかった。

千夏はじっとあたしを見つめると、フッと微笑んだ。

「信じることにする」

「千夏……」

「だって、盗んでないんでしょう? だったら、信じる」


その言葉にあたしは体中から力が抜けた。