「なんか歓迎されてない感じだな」
振りかえってボヤく太一。

今のは、美鈴のお母さんだろうか?

その時、私のスマホが鳴り出した。

画面を見ると、知らない番号だ。

「出なくていいのか?」

太一が不思議そうに尋ねるが、ちょうど玄関から美鈴がやって来たので、
「うん」
と、うなずいてカバンにしまった。

音が鳴りやむ。

「どうしたんですか?」
メガネを直しながら美鈴が尋ねた。

制服じゃない美鈴は見慣れてないから不思議な気分。