瑠奈の家は古いがとても大きな家だった。

日本家屋、と呼ぶのだろう。

玄関横には大きな松の木がそびえ立っている。

チャイムを躊躇なく鳴らす太一。

すぐに女性の声が聞こえた。

『はい』

「すみません。俺ら、美鈴さんと同じクラスの者です」

『はい』

声は一定のトーンで、無機質に思えた。

「美鈴さん、いらっしゃいますか?」

「……お待ちください」


ガチャン
と、乱暴に音が途切れた。