「うん……」
歯切れ悪くうなずく私に、太一がすぐに気づいた。

「なんだよ?」

「あのね、実は千夏には昨日言ったの。『呪いが本物だ』って……」

「そしたら?」

太一が眉をひそめた。

「全然信じてもらえなかったの。怒って行っちゃったんだよね」

千夏が言った『バカじゃない』のセリフが今でも私を静かに傷つけている。


ヤケドみたいに、ヒリヒリしてる。


「そっか」

太一がまた本に視線を戻した。

「美鈴に言おうよ」
瑠奈が決心したように言った。

「美鈴に?」