「こんな中からどうやって探すんだ?」
太一の言葉に我に返る。

そうだ、この中から一冊の本を探さなきゃならないんだ。

改めて見ると、その数の多さにあっけにとられる。

「あ、あそこ見て」
瑠奈が指さす先には、『検索コーナー』の文字が。

パソコンが置いてあり、そこで入力すると場所がわかるようになっているらしい。

「げ、列できてんじゃん」

太一の言う通り、1台しかないそれに数人の人が列を作って並んでいた。

「並ぶ?」
そう言う私に太一は、
「しょうがない。俺にまかせておいて」
と、胸を叩くと受付に走って行った。