呪いを解けるなら、急ぐ必要がある。

残りの人たちを救うため。

そして、純子を救うため。

私たちは図書館を目指して歩き出した。


実は図書館には行ったことがなかった。

それは、太一や瑠奈も同じらしく、私たちはスマホを駆使しながらようやくたどり着くことになる。

スマホは本当に便利だ、と、こんな状況なのに感心してしまう。

「すごい本の数……」
図書館に入ると、すぐに瑠奈がキョロキョロしてつぶやいた。

たしかに書庫がずらりと並んでいて、数えきれないほどの本が整列している。

圧迫感はなく、むしろワクワクするのが不思議。

ほどほどの人がいるのに、シーンと静まり返っているのが、どこか非日常な光景。