「これだけ続くと、ただのウワサとは言えないよな」

太一が通りを歩く人を見ながら言った。

「鏡さんが、呪いについて調べてみて、って言ってたの。なにか呪いを解くカギがあるかも、って」

私の言葉に、太一が、
「鏡さんって誰だよ」
と、眉をひそめた。

「こないだ学校とかパチンコ屋さんで会った刑事さんの名前。太一も、学校で会ったでしょう?」

「鏡、って言うのか。へぇ」

太一は納得したのかうなずいた。

「瑠奈」
呼びかけると、瑠奈はビクッと体を震わした。

私を見るその目は、おびえたように不安げにうるんでいる。

「【444の呪い】について書いてある本のこと、わかる?」