「おりろ、おりろよ!」

右へ左へバイクをくねらせる。

周りの車がクラクションを激しく鳴らす。


ブブブブブブー!


「哲也くん、見ちゃったね。【444】の数字」
クスクス笑う声が、頭にまで響いてきた。

俺は必死で頭を振る。

「お前は死んだんだ! 死んだはずだろ!」

「悪魔がチカラをくれたの」

楽しそうな声。

肩に純子の手が置かれた。


服を通じてでも、その氷のような冷たさが鳥肌を立たせた。