昼休みになると、千夏と美鈴、渚が席を立ったのであたしは後を追った。

廊下の曲がり角でようやく追いつく。

「千夏」

千夏は来ることが分かっていたかのように、あたしを見てほほえむと、
「ついてきて」
と、足を止めずに歩き出した。

美鈴と渚はなにも言わない。


3人はそのままま屋上へ続く階段を登ると、扉の前で美鈴がカギを取り出し開けた。

「学級委員の特権です」
美鈴は当然のように言うと、千夏を先に行かせる。

あたしも後からついてゆく。

屋上ははじめて来たけれど、だだっ広いコンクリートがあるだけだった。

手すりのところまで来た千夏が、それにもたれてあたしを振り返る。

両サイドに美鈴と渚。