「なぁ、哲也ぁ。お前の学校さ、ニュース出てたじゃん」
まだ走り出すつもりはないのか、先輩が今買ってきたホットドッグにかじりつきながら言った。

「はぁ。そうなんですよ」
まるで他人ごとのように俺は答える。

まさか放送で名前を呼ばれたなんて言えない。

「先生も死んだんだろ?」

「え?」

「今、トイレでスマホ見てたらニュースに載ってたぜ」
そう言うと、片手で器用にスマホを操作して、
「ああ、これこれ」
と、画面を見せてくる。

それを受け取るとメットを外して読む。