「うん……。でも、あたし泥棒じゃない」

「誰からのイタズラだよ。気にしなくていいと思うよ」
顔を少しこちらに寄せて言ってくれた。

「ありがとう」

それでもあたしの気持ちは晴れなかった。

あの文字を書いたのは、千夏しかいない。

昨日の財布のこと、やっぱり疑われてたんだ……。

キュッ
と、胸が痛くなり視界がゆがんだ。


……泣いちゃだめ。


自分に言い聞かせて耐える。

あたしは悪いことはしていないんだから。

千夏だってきっと話せばわかってくれるはず。


昼休みにきちんと話そう。