「千夏……」

「いじめてもいないのに濡れ衣着せられてさ、挙句の果てに謝れ? 被害者はこっちの方なんだよ! ふざけんなよ」
そう言うと、砂利道を踏み鳴らしながら背を向けて去って行った。

そんな……。

こんなにもみんなが死んでいってるのに……。

その後ろ姿を見ながら、私は呆然としていた。

「大丈夫?」

鏡の声。

右を見ると、心配そうな顔をしている。

「わかってくれると思ってたのに……」

「仕方ないさ」
なんでもないように鏡は言うと立ちあがった。