鏡が私の体を離すと、私の両肩を持った。

「……泣いているの?」

私はなにも答えられない。

どうしちゃったんだろう……。

袖で、涙を拭くと、
「大丈夫です」
と、かろうじて答えた。

「つらい話を聞かせてごめん。でも、教えてほしい。本当に【444の呪い】はあるのかな? 昨日、君はそのことを兼子先生に言ってただろう?」

「確かに言いました。博実さんも渚も、ふたりとも【444】を見た後に亡くなっているんです。だから偶然とは思えなくって……」
そう言うと、私はかろうじて歩き出す。