「今、ちょっと時間あるかな?」

思考は鏡の声に中断される。

近くで見ると、意外にも背が高い。

「あ、今はちょっと……。約束があるんです」

「じゃあ、歩きながら話そう」
そう言って、私の横に並ぶので仕方なく歩きはじめる。

「話ってなんですか?」

ぐるぐると頭をいろんな考えが回った。

昨日、兼子先生にウソついて話を合わせてもらったこと?

それって『虚偽罪』になったりするの?

「君、昨日【444の呪い】について話をしてたよね?」

足の長い鏡は、歩幅を合わせてくれながらそう尋ねた。

「はい」