風から身を守りながら、約束の公園に向かって歩き出した私の足が止まった。

前から歩いて来る男性、その顔に見覚えがあったから。

「やぁ」
黒いメガネを人差し指であげながら、鏡がほほえんだ。

「刑事さん」

相変わらず黒いメガネに黒いスーツの鏡が、私に向かって歩いて来る。

「ちょうど良かった。学校で君の住所を教えてもらって向かってたんだ」

「私の?」

「そう」
当然、という感じで鏡が言った。

なんだろう?

私、なにかしたっけ……?

それとも、容疑者だと思われてたりして。