時折聞こえる、ガチャッという音。

ひとつずつ、扉が開くか確認しているのだ。

やがて、足音は放送室の前に。


ガチャッ ガチャガチャッ


思ったよりも大きな音がして、出そうになる悲鳴を両手で押さえて飲みこんだ。

足音は、やがて小さくなってゆく。

今度は隣の部屋の扉を開こうとしている。

「良かった……」

ゾワゾワする感覚が取れないまま、大きく息をついた。

このままやり過ごせれば……。


ウィーン


何か、モーターの回るような音が聞こえた。


耳を澄ます。