『せん…せい……』

今のは……空耳?

廊下の端についているスピーカーを見たまま1ミリも動けない。

『せんせい……かねこ…先生』

「そんな……」

この声!

あの時聞いた声と同じ!?

ガクガクと体が震えだす。


まさか……。


『どうして、あたしを……信じてくれなかったの?』

「いやあ!」

呪縛が解けた私は、転がるように廊下を走った。