顔をあげて音に集中する。

すると、次の瞬間、

ピーン ポーン パーン ポーン

大きな音が鳴り響いた。

「キャッ」
短く悲鳴をあげると同時に、鍵束が手から滑り落ちた。


ガシャン


そのまま動けずに、私は耳を澄ました。

こんな時間に誰かがいるの?

放送部の練習?

いや、あそこは立ち入り禁止になっているはず。

それに今日は休校……。


ゴクリとツバを飲みこんだ。