『兼子君は、主任だったよね?』

「はい」

『まぁ、今回の件が片付いたら、それについても委員会で話し合うから』

「そんな!」
私は電話に向かって声をあげた。

「内田さん。私は主任教師として、これまで一生懸命やってきました。間違ったことはしていないつもりです!」

教師生活20年にして、やっと得た地位。

それを、なんでこんなことで手放さなきゃならないのよ。

絶対イヤ。


それだけは、許せない。


『兼子先生』
内田の声が急に冷めたようにトーンを落とす。

『数日間に数人が続けて亡くなるなんてこと、普通はないでしょう?』