「はい、申し訳ありません」

私___兼子 怜が電話をしている相手は、教育委員会だ。

この何日間かで、もう3回も報告をしている。

1回目は、山本純子が自殺したとき。

2回目は、その山本の母親が自殺したときに。

そして、今回の宮本 渚の死亡について。

『まぁ、今回は殺人だから仕方ないところもあるけどさ。それでも君、やっぱり困るんだよねぇ』

教育委員会の内田と名乗る男性には会ったことはなかった。

会ったこともないような男に、なんで謝らなきゃならないのよ。

それでも私は、
「申し訳ありません」
と、繰り返した。