「そんなくだらないこと言ってちゃいけません。捜査が進まなくなるでしょう?」

「でも……」

「呪いなんて、ただの迷信でしょうが。ほら、話が終わったら帰りなさい」

強引に腕を引っ張られる。

すごく迷惑そうな顔。

困るのは鏡じゃなく、兼子先生なのだろう。

「あ!」

無理矢理グラウンドから出されそうになったところで、鏡が声を出した。

その目が大きく見開かれ、そのまま私を見た。

すぐそばを歩いて来る青い制服を着たふたり組に鏡は声をかける。

そのうちのひとりが持っていた箱を差し出すと、鏡はそれを開けた。

中には、渚の私物と思われる品々が入っていた。