鏡はまだ半信半疑のようだ。

ぽかんとした顔をしている。

それも仕方ない。

私だって初めは信じられなかったから。

「渚は? 渚はどうでしたか?」

「宮本渚さん……。彼女は、バッドで殴られて死んでいた」

後ろに立っているふたりが息を呑む音が小さく聞こえた。

「何か……、【444】に関係する物を持っていませんでしたか?」
私がそう尋ねると、鏡は困った顔をした。

「そう言われても……。そうだなぁ……」
と、宙を見あげた。

「橘さん」

隣の兼子先生が私の横腹をつっついてきた。

「はい」