グラウンドの入り口で、私たちは立ちどまった。

「ここで、渚が……?」
千夏が鏡に聞く。

「ああ。今朝、君たちのクラスメイトが発見した」

真ん中あたりを見て鏡はうなずいた。

「誰かに殺されたのでしょうか?」

美鈴が記者のようにメモとペンを片手に聞くと、
「わからない」
そう言って鏡はため息をつくと、「でも」と言葉を続ける。

「あんな風に自殺できる人はいないだろう」

どんなふうかは分からないし、聞くのが怖い。

「で、僕に何の用?」
鏡が私に尋ねた。