「え?」

「この子……橘さんがあなたに呼ばれた、と言ってるんですけど本当でしょうか?」

鏡は、すぐに、
「ああ」
と、軽くうなずく。

「そうです。やっと来てくれたね。遅かったじゃないか」


ホッとして力が抜けた。

やっぱ、この刑事デキる人だ。

まだ疑わしい目で私を見ると、兼子先生は、
「私も同席します」
と、宣言をした。

「ええ?」
驚いて尋ねると、兼子先生は私に顔を近づけた。

「私は担任です。何か立ち会ってはまずいことでもあるのですか?」