「渚の事件についてです」
そう言った途端、兼子先生は目に見えてうろたえた。

挙動不審に私を見ると、
「なんで知っているのよ……」
と、声を震わせた。

後ろにいた美鈴が、
「やっぱり渚なんだ……」
と、小さくつぶやいた。


その時、向こうから鏡刑事が歩いて来るのが見えた。

私は右手を挙げて合図をした。

兼子先生が振り向くと、
「刑事さん」
と、鏡に声をかけた。

「この子たちを呼びましたか?」