角を曲がったところで、ようやく立ち止まる。

「太一、大丈夫?」
そう言うと、太一は首を横に振った。

「俺、今きびしい」

「なにがあったの?」
瑠奈も心配そうに口にした。

「そうよ、言いなさいよ」

ついて来たらしい。

千夏がすぐ後ろにいて、腕を組んでる。

「教えてください、太一さん」
美鈴。

太一は、しばらくあえぐようにして息を整えると、
「朝練」
と、単語を発した。